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始発駅

「イチコの選択」では大変お世話になりました。無事連載を終えた今、このブログで何ができるのかを考えています。のんびりお付き合い頂ければ幸いです。

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プロローグ

 平成十九年一月。 
それまで住んでいた都心からイチコは逃げるように今の住居に引っ越して来た。逃げるようにといっても、何かうしろめたい事をしたわけではない。
 前年の十二月、養育費を支給してくれていた内縁の夫、宮下圭介に、 「俺はそれ以外金は出さんぞ」 
と大きく出られたことから、引越しを敢行せざるを得なくなったのである。都心で高い住居費を払っていたのでは、二人の息子の教育費どころではなくなるため、少しでも不経済な事は避ける必要に迫られたのだ。 事の発端はイチコから宮下当てに掛けた電話だった。
 イチコには、言いたい事も聞きたい事も山ほど溜まっていた。
 電話は二時間近くにも及ぶ長いものだった。それだけの長い時間を宮下との会話に費やしたのは久しぶりだったのであるが、
 「きょうはありがとう」 電話を切ったときには、ここを出て行こうというイチコの決意はほぼ固まっていた。そのイチコの決意を後押ししたのは、長男だった。
 心配そうに電話を聞いていた長男は、イチコから話を聞き終えると、 「きったねえ」
 と吐き捨て、 
「引っ越そうぜ」
 と言ったのである。
 イチコの内縁の夫である宮下は、暴力団員である。
 この物語はバブルがはじけ、新法施行の最中、必死にあがいた最下層の者たちの物語でもある。  
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コメント


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 初めまして。神瀬一晃と申す者です。
 ブログジャンキー巡回中に目に留まったので、コメントを残させていただきました。
 小説(随筆?)のプロローグを読ませて頂きました。
 なにやら深そうな設定(実話?)に、作品の中へ惹き込まれていました。

 私も自分のブログで小説などを書いているので、興味があったら是非寄って下さいね。
 ではでは~。

神瀬一晃 | URL | 2007年07月22日(Sun)16:28 [EDIT]

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