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始発駅

「イチコの選択」では大変お世話になりました。無事連載を終えた今、このブログで何ができるのかを考えています。のんびりお付き合い頂ければ幸いです。

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バブルと新法(7)

 イチコの父親は女遊びにふけることはなかったが、ギャンブル好きの道楽者だった。
 「子供は放って置いても大きくなる。心配せんでもどないかして生きて行くわな」
 「女親いうもんはどないかするもんや、それが母親いうもんや」
 これが口癖であり、母親が働いていると、その稼ぎ分だけゆとりとみて遊ぶような男だった。
 その反面、たまにはごく当たり前の常識論を披露したりもする。要するに終始一貫の見られない男だった。父親は家のものを持ち出して質屋通いをしたり、あちこちで不義理を重ねたあげく、一時期は行方不明になっていたのである。
 元の場所に帰って来た父親は、すでにいい歳になっていたが、女の立場からすると決定的な悪癖である、「わしの金」という文句を言ったり、言外にそれを匂わせることだけは直らなかった。
 父親はちょっぴり見栄っ張りでホラ吹きでもあった。他人をボロクソにくさし、自分を持ち上げるのである。
 そんな家の中がおもしろいわけなく、イチコは当然のように家を出て行った。
 家を出たからといって、たいしていいことはなかった。
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